今回は、映画『ノイズ』のネタバレあらすじと考察を紹介します。
本作は過疎化が進む孤島にやってきたよそ者を殺害してしまったことから、島の平穏が崩れていくサスペンス映画です。
主演は藤原竜也と松山ケンイチ。『DEATH NOTE』以来の強力タッグです。
恵里奈が描いたひまわりの絵日記が表すものとは?
ラストシーンの意味とは?
映画のなかで気になったシーンを考察してみました。
作中でははっきりと明かされなかった謎について知りたい人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
映画『ノイズ』の作品情報
#映画ノイズ
— 藤原竜也 STAFF (@fujiwara_staff) January 28, 2022
本日より全国公開㊗️
「デスノート」から15年の時を経て、#松山ケンイチ とW主演を務めさせていただいた今作。
豪華共演者の皆さま、スタッフの皆さまの力で完成しました。
平和な島に訪れた悲劇…ノイズとは何かを、ぜひその目でお確かめください。https://t.co/u4vI8Vj2pR#藤原竜也 pic.twitter.com/SuWfKarNjK
タイトル | ノイズ |
監督 | 廣木隆一 |
脚本 | 片岡翔 |
公開年 | 2022年 |
出演 | 藤原竜也 松山ケンイチ 神木隆之介 黒木華 永瀬正敏 ほか |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 128分 |
ジャンル | サスペンス |
映画『ノイズ』のあらすじ【ネタバレなし】
島を守ろうとする歪な正義感が招いた悲劇
過疎化が進む猪狩島の復興を目指し、黒イチジク農園を営む圭太。
ある日、圭太の娘が行方不明になった。
圭太が幼馴染の純と一緒に娘を探していると、農園で不審な男・睦雄と遭遇する。
その男が娘を誘拐したのではと疑った圭太は睦雄と揉み合いになり、誤って殺害してしまう。
圭太と純が呆然としていると、そこへやってきた島の駐在員・真一郎。
圭太たち3人は、睦雄殺害が島の復興の足かせになることを恐れて事件を隠蔽することを決意する。
本土からやってきた警察の目をかいくぐろうと必死になる3人と島の運命とは……。
映画『ノイズ』の感想【ネタバレなし】
俳優陣の抜群の演技力!のどかな島と恐ろしい事件の対比がおもしろい!
藤原竜也×松山ケンイチは間違いないですね。
それぞれの登場人物が追い詰められていくのを痛いほど感じました。
のどかな島で恐ろしい事件が起こるというギャップがたまりません。
島内放送とか、音楽とか、無人販売所とか、人のいない一本道とか、とても穏やかです。
その一方で、起こっていることは本当にドロドロしています。
みんな悪いことをしようとしているわけではなく、ただ島を守ろうとしているだけなんですよね。
でもそれがどんどん悪い方へと向かってしまいます。
なんでこんなことになってしまったんだろうと悲しくなりました。
いつ事件が発覚してしまうのだろうという緊張感もあっておもしろかったです。
以下、ネタバレを含みます
映画『ノイズ』の主な登場人物
映画『ノイズ』の主な登場人物を紹介します。
泉 圭太(演:藤原竜也)
[[ #ノイズキャラクターFile_🖊️]]
— 映画『ノイズ』公式 (@noise_movie) December 15, 2021
💥泉 圭太 ( #藤原竜也 )
いずみ農園を営み、猪狩島の新たな名産品"黒イチジク"を生産している島のヒーロー。爽やかな好青年で誰に対しても優しい。
島と愛する人たちのために、親友の純と真一郎と共に死体を隠すことを決意する―
◢◤#映画ノイズ 1.28公開🪓◢◤ pic.twitter.com/trGnTN8hMd
猪狩島の復興のため、黒イチジク農園を営んでいます。
妻の加奈と娘の恵里奈の3人家族です。
子どもの頃に両親を失い島の人々に育てられたことから、島に対する愛着が強く、その恩返しをしなければいけないと思っています。
島の救世主のように扱われていますが、その重圧から暴走気味です。
田辺 純(演:松山ケンイチ)
[[ #ノイズキャラクターFile_🖊️]]
— 映画『ノイズ』公式 (@noise_movie) December 16, 2021
💥田辺 純 ( #松山ケンイチ )
圭太の親友。猟師として生計をたてている。独身だが圭太の家族とも仲が良く、圭太の娘・恵里奈もなつく。ややぶっきらぼうな性格。
圭太と真一郎と共に死体を隠すことを決意する―☠
◢◤#映画ノイズ 1.28公開🪓◢◤ pic.twitter.com/UFizefhKKL
圭太、加奈と小さい頃から一緒に育ってきました。
圭太と同じく子どもの頃に両親を失ったため、島への愛着が強いです。
猟師をしていますが、猟ができない期間は圭太の農園を手伝っています。
守屋 真一郎(演:神木隆之介)
[[ #ノイズキャラクターFile_🖊️]]
— 映画『ノイズ』公式 (@noise_movie) December 17, 2021
💥守屋 真一郎 ( #神木隆之介 )
圭太と純を慕う弟的存在。新米駐在員として久々に島に戻って来た。母親を大事にし正義感も強いが、優し過ぎる面も。
猪狩島唯一の警察官🚔だが…圭太と純と共に死体を隠すことを決意する―☠
◢◤#映画ノイズ 1.28公開🪓◢◤ pic.twitter.com/FYVVWnqyp6
圭太と純の弟分的な存在。
正義感と島への愛情が強く、幼い頃からの夢である島の駐在員として着任したばかりです。
母親思いの優しい性格で、嘘をつくのが苦手。
睦雄殺害を隠蔽しようとしますが、不安と恐怖に押しつぶされてしまいます。
泉 加奈(演:黒木華)
[[ #ノイズキャラクターFile_🖊️]]
— 映画『ノイズ』公式 (@noise_movie) December 18, 2021
💥泉 加奈 ( #黒木華 )
圭太と純の幼馴染。現在は圭太の妻として農園を手伝う。恵里奈という娘にも恵まれ幸せに暮らしている.。
🐗要注意度 ⚠⚠
◢◤#映画ノイズ 1.28公開🪓◢◤ pic.twitter.com/OS2f9yXFwF
圭太の妻で、農園を手伝っています。
島に執着する圭太に対して、加奈は島を離れたいと思っています。
畠山 努(演:永瀬正敏)
[[ #ノイズキャラクターFile_🖊️]]
— 映画『ノイズ』公式 (@noise_movie) December 27, 2021
💥畠山 努 ( #永瀬正敏 )
事件を追って猪狩島に降り立った、愛知県警のベテラン刑事。
早くから圭太と純の言動に違和感を覚え、疑惑の目を向ける。
🐗要注意度 ⚠
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保護司の鈴木が行方不明になった事件の捜査で本土からやってきた刑事。
勘が鋭く、すぐに圭太たちに疑いの目を向けます。
小御坂睦雄(演:渡辺大知)
[[ #ノイズキャラクターFile_🖊️]]
— 映画『ノイズ』公式 (@noise_movie) December 29, 2021
💥小御坂 睦雄 ( #渡辺大知 )
凶悪殺人で服役していた元受刑者💀
保護司の鈴木と共に職を求め猪狩島へやって来るが…
平和な猪狩島の崩壊のきっかけに⚡
🐗要注意度 ⚠⚠⚠⚠⚠
◢◤#映画ノイズ 1.28公開🪓◢◤ pic.twitter.com/Jd7U1yQZeb
元受刑者。出所後に保護司の鈴木のすすめで、圭太の農園で働くために島へやってきました。
島に到着後、動機は不明ですが保護司の鈴木を殺害します。
映画『ノイズ』の結末【ネタバレあり】
映画『ノイズ』のあらすじを結末までネタバレありで紹介します。
穏やかな日常の崩壊
伊勢湾に浮かぶのどかな孤島・猪狩島。
この島で生活する圭太は、過疎化に苦しむ島の復興を目指してイチジク農園を営んでいる。
ある日、圭太が農園から帰宅すると娘の恵里奈がいなくなっていた。
すぐに妻の加奈や親友の純と手分けして探すことに。
しばらくして、圭太と純はイチジク農園で恵里奈の自転車に乗った不審な男と遭遇する。
男の名前は睦雄。
元受刑者で、保護司の鈴木とともに職探しのため先ほど島へやってきた。
実は島に到着して早々に鈴木を殺害したことをまだ誰も知らない。
圭太は恵里奈の居場所を問いただすが、睦雄はニヤつくだけ。
もみ合っているうちに、圭太は誤って睦雄を殺害してしまう。
そこへ島の駐在員・真一郎も駆けつけてきた。
遺体を前に立ちつくす圭太、純、真一郎の3人。
そんななか、真一郎は事件の隠蔽を提案する。
もし発覚すれば、島の復興は絶望的だと考えたからだ。
圭太と純もこれに同意し、ひとまず純の倉庫に遺体を隠すことにした。
幸いなことに恵里奈は無事に見つかり、島民の庄吉の家であそんでいたことがわかった。
その夜、圭太たちは島の集会に参加する。
島のイチジクがテレビで取り上げられ、島民たちは大盛り上がり。
しかも島をあげてのイチジク栽培が評価され、支援金5億の支給が内定したらしい。
圭太は島の救世主と称えられた。
圭太、純、加奈は、子どもの頃に嵐で両親を亡くした過去がある。
それ以来、島の人々に育てられたため、圭太は恩返しをしたい一心で島の復興に取り組んでいるのだ。
島ぐるみの隠蔽
翌日、愛知県警の畠山たちが島へやってきた。
行方不明になった保護司の鈴木を捜索するためだ。
やがて鈴木の遺体が見つかり、島は大騒ぎに。
圭太、純、真一郎の3人は、遺体を移動させるために倉庫に集まった。
そこへ島の町長が現れ、遺体が見つかってしまう。
町長は、庄吉から「圭太たちが遺体を運んでいる」と聞いて確認しに来たらしい。
町長は、純か真一郎のどちらかが殺人の罪をかぶるように迫る。
島の復興にはイチジク農園が欠かせないため、圭太が捕まるわけにはいかないからだ。
言い争いをしていると、庄吉が乱入してきて町長に襲いかかる。
庄吉が町長に遺体のことを報告したのは、町長ならうまく収めてくれると考えたから。
それなのに町長があまりにも身勝手な発言をするため、怒りが抑えられなかったのだ。
もみ合いの末、庄吉は死亡。
さらに騒ぎを収めようとした純が町長を殺害してしまう。
圭太たちは一部の島民の協力を得て、庄吉が病気で亡くなったことにしてもらった。
そして、睦雄が町長を殺害したあと、ボートで島から逃亡したように偽装工作。
どうにか警察の目を誤魔化そうとする。
しかし、畠山は圭太と純に疑いの目を向けていた。
圭太の家の前に睦雄の履歴書が落ちているのを見つけたことで、疑いは加速するのだった。
一方の島民たちは、よそ者である畠山たちに非協力的な態度をとる。
島と救世主の圭太を守るために警察を敵視しているのだ。
もちろん睦雄たちの死の真相を知る島民はごくわずかだが、島民たちの団結は固かった。
限界
睦雄殺害から4日目。
睦雄の一件を何も知らない加奈が「島を出たい」と言いだした。
島民たちは圭太を救世主と称えているが、圭太に責任を押しつけているように思えてならない、と。
圭太は「自分たちが生きているのは島のおかげ、恩返しをすべきだ」と、反対する。
結局、話は平行線をたどるのだった。
その頃、真一郎は罪悪感と、島を守りたいという正義感に押しつぶされそうになっていた。
畠山からは「同じ警察なのだから捜査に協力しろ」とプレッシャーをかけられ、限界寸前だ。
追いうちをかけるように、畠山から純の倉庫へ一緒にくるように言われる。
そこは睦雄の遺体を隠した場所だ。
もう嘘をつき通せないと感じた真一郎は、銃で自殺してしまった。
真一郎の死を知り、激しい罪悪感に襲われる圭太と純。
実は、そのとき遺体はすでに倉庫からイチジク農園に移されていた。
真一郎を巻きこまないために、純がそのことを知らせていなかったのだ。
真一郎は自殺する直前、動画を残していた。
自分が睦雄と町長を殺害したと自白する内容だ。
動画は「島を守りたかった、母さんごめん」いう言葉で終わっていた。
その夜、町長の携帯電話から全島民宛てに1通のメールが届く。
内容は「遺体はイチジクの下、犯人は圭太」というもの。
それを知った警察が圭太の農園に駆けつける。
結末
町長の携帯電話は、圭太たちが遺体の偽装を工作したときに探しても見つけられなかったものだ。
事件に関わった人間のなかに裏切り者がいる。
逃げられないと悟った圭太は自首を決意。
家族と島のことを純に託し、連行されていった。
純が真一郎の墓参りに行くと、畠山に遭遇する。
「お前はそれで幸せか?」と問いかける畠山。
純は「何のことですか?」とはぐらかす。
実は、町長の携帯電話からメールを送ったのも、睦雄の履歴書を圭太の家の前に置いたのも純だ。
純は昔から加奈に強い想いを寄せていた。
その想いの強さは、部屋の壁一面に加奈の写真を貼るほどだ。
そんな加奈と結ばれたのは圭太。
しかも圭太は昔から優秀で、今では島の救世主として島民たちに期待されている。
強い嫉妬心を抱いた純は、すべての罪を圭太になすりつけようとしたのだ。
畠山はこのことに気づいていた。
純の想いとは裏腹に、加奈は圭太をいつまでも待ち続けるという。
その後、加奈が刑務所へ面会にやってきた。
圭太に恵里奈の絵日記を見せながら、島を出たいと伝える。
圭太は加奈や純たちの気持ちに気づいていながらも、無視してきたことを謝罪した。
一方、ひとりで山へ入った純。
何かに狙いを定め、銃の引き金を引く。
そして銃に弾を込めると、さらにもう1発の銃声が響きわたった。
面会後、圭太は絵日記の内容を呟きながら涙を流すのだった。
映画『ノイズ』の感想【ネタバレあり】
閉鎖的な社会独特の圧というか呪縛というか…。
睦雄殺害は絶対に正当防衛でよかったですよね。
睦雄は島へやってきたときに保護司の鈴木さんを殺害していますし…。
泉家の庭に侵入したのは事実です。
親としては娘を守ろうと必死でしょう。
庭で遊んでいたときと、発見されたときで恵里奈の服がズボンからスカートに替わっているのが気になりました。
もしかしたら睦雄は恵里奈によからぬことをしていたのではないかと…。
幼い恵里奈は状況が理解できていなかったけど、なんとなく怖くて母親にも言い出しづらくて庄吉さんの家に助けを求めた。
恵里奈の様子を見て状況を察した庄吉さんがズボンに着替えさせたとか…。
もしこういう事情であれば、成長した時の恵里奈の心の傷は計り知れません。
何事もなかったと思いたい…。
経験が浅いゆえに判断を間違えてしまった真一郎。
島を守ることに取り憑かれてしまった圭太。
歪んだ感情を圭太にぶつけてしまった純。
悲しい結末でした。
圭太たちの子どもの頃の回想シーンは、純の気持ちがわかった後で思い返すと切なくなります。
ただ、庄吉さんが町長を襲うシーンは不覚にも笑ってしまいました。
たぶん笑うシーンではないのですが…。
平和で穏やかな離島での生活は少し憧れますが、こういう閉ざされた地域だからこその怖さもありますよね。
映画『ノイズ』の考察
映画『ノイズ』で気になったシーンを考察してみました。
考察1:ひまわりの絵日記の意味は?
映画の冒頭やラストシーンに登場する恵里奈が描いたひまわりの絵日記。
その内容は以下のとおりです。
(1枚目)
朝起きたらひまわりが咲いていたので
みんなで遊園地に遊びに行きました
(2枚目)
とっても暑かったので
アイスクリームを食べました
(3枚目)
とってもおいしかったです
この絵日記は何を表しているのでしょうか。
それは、恵里奈の心の叫びだと考えられます。
絵日記1枚目
まず1枚目には、大きなひまわりが2つと、ひまわりの芽が1つ描かれています。
しかし、泉家の庭や圭太の農園にはひまわりがありません。
この絵日記は実際の出来事を描いているわけではなく、恵里奈の空想を描いているのでしょう。
ひまわりの花言葉は「憧れ」や「あなただけを見つめる」ですが、大輪のひまわりには「偽りの愛」という花言葉もあります。
農園や猪狩島の復興に夢中になっている圭太が、妻の加奈や娘の恵里奈ときちんと向き合っていないことを表しているようにも捉えられます。
つまり、「圭太の家族に対する愛情は本物なのか?」という問いかけなのです。
さらに3本のひまわりの花言葉は「愛の告白」。
絵日記に描かれているのは、2本のひまわりとまだ花を咲かせていない成長途中の芽が1本。
これは純の加奈に対する気持ちを表現しているのかもしれません。
絵日記2枚目
2枚目は泉家3人と純が遊園地にいる様子が描かれています。
その並びは左から加奈、恵里奈、純、圭太の順番。
普通なら父親である圭太が恵里奈の隣にいると思うのですが、恵里奈の隣にいるのは純です。
農園や猪狩島のことで頭がいっぱいになっている圭太が家族のもとから離れ、圭太のポジションに純が入る、ということを恵里奈は感じ取っていたのかもしれません。
絵日記3枚目
3枚目は絵日記の上部しか映されないので、何が描かれているのかはわかりません。
しかし「アイスクリーム」という言葉は、恵里奈が庭でひとり遊びをしている時にも登場します。
アイスクリーム=ice cream=I scream(私は叫ぶ)
この絵日記は家族がバラバラになってしまうことを危惧する恵里奈の心の叫びなのかもしれません。
考察2:ラストシーンの意味は?
刑務所に入った圭太の代わりに農園を手伝い、泉家で過ごす純。
そんな彼に対して加奈は「私はいつまでも圭太のことを待ち続けるから」と伝えます。
もしかしたら加奈は純の気持ちに気づいていたのかもしれません。
あえてそう言うことで純に諦めてもらおうとしたのでしょう。
その後、山に入った純は2発の銃弾を撃ちます。
何を狙っていたのかは映し出されませんが、1発目は加奈を、2発目は自分を狙ったのではないかと思います。
純は子どもの頃から加奈のことを想っており、部屋いっぱいに加奈の写真を貼るほどです。
子どもの頃、両親が助からないことに絶望し駆け出した加奈を最初に追いかけたのも、葬儀で加奈がいないことに最初に気づいたのも純でした。
それほど想う相手と一緒になれないなら、いっそ加奈を殺して自分も死んでしまおうと思ったとしても不思議ではありません。
そして刑務所の面会で加奈に恵里奈の絵日記を見せられた圭太は、絵日記の内容をくり返して涙を流します。
今まで島を出ていきたいという加奈の気持ちや、圭太に嫉妬する純の気持ちを無視してきた圭太。
恵里奈の心の叫び、加奈や純の気持ちをただの「ノイズ」として聞き流してしまったことに気づかされ、後悔したのでしょう。
考察3:黒イチジクが表すものとは?
猪狩島の復興の要として圭太が育てる黒イチジク。
見た目は真っ黒ですべすべの皮に覆われていますが、中には真っ赤な身がぎっしりと詰まっています。
猪狩島に取材に来たリポーターや畠山は「グロテスク」「気持ち悪い」と言います。
この黒イチジクは猪狩島の実態そのものを表しているのでしょう。
猪狩島は、外から見ると犯罪がなく平和で、おだやかな島です。
しかしその実態は、島を守るためなら犯罪も厭わない異常な団結力と、島民は島で生きていくべきという固定観念で支配されています。
よそ者の死を島ぐるみで隠蔽する様子はグロテスクそのもの。
かさぶたに覆われているから綺麗に見えるだけなのです。
映画『ノイズ』のネタバレ&考察まとめ
今回は、映画『ノイズ』のネタバレあらすじと考察を紹介しました。
島を守ろうとするがゆえに起こってしまった悲劇。
ただの「ノイズ」として聞き流さずにきちんと向き合っていればこのようなことにはならなかったのかもしれません。