1997年公開の映画『ゲーム』の感想＆考察を紹介します。
誕生日にゲームの招待状を受け取ったニコラス。
そこで「人生を変える経験」ができるという。
ゲームに参加したことで、彼の生活は一変し…。
このゲームの目的は？
ニコラスのトラウマと人間性への関係とは？
気になったシーンを考察しました。
映画『ゲーム』の作品情報
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PolyGram Filmed Entertainment
Scandinavia:
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| 原題 | The Game |
| タイトル | ゲーム |
| 監督 | デヴィッド・フィンチャー |
| 脚本 | ジョン・ブランカトー マイケル・フェリス |
| 公開年 | 1997年 |
| キャスト | マイケル・ダグラス ショーン・ペン デボラ・カーラ・アンガー ほか |
| 制作国 | アメリカ |
| 上映時間 | 128分 |
| ジャンル | サスペンス |
映画『ゲーム』のあらすじ【ネタバレなし】
「人生を変える経験」ができるというゲーム。誰もが驚く結末とは？
資産家だが性格に難のある男・ニコラス。
誕生日に弟のコンラッドからゲームの招待状を受け取る。
そのゲームでは、「人生を変える経験」ができるらしい。
半信半疑ながらもゲームに参加すると、身の回りで次々と不可解な出来事が起こりはじめ……。
以下、ネタバレを含みます
映画『ゲーム』の感想【ネタバレあり】
怒涛のどんでん返しの連続！めちゃくちゃ疲れます
本当にゲームだったけど、弟を銃で撃ってしまった罪悪感で、結局父と同じ道をたどるバッドエンドか…。
と思いきや、ニコラスの飛び降りさえもゲームのシナリオの一部。
弟も生きていて、すべてが壮大なゲームでしたというまさかのハッピーエンド。
どんでん返しの連続だったので、どうしてもこの結末を信じられませんでした。
なんせ本作はデヴィッド・フィンチャー監督作。
映画『セブン』の監督です。
鬱エンドの可能性もあるからね…。
クレジットが流れるまで「まだ何かあるのでは？」と疑ってしまいました。
こんな壮大なサプライズを仕掛けられて、ニコラスに新しいトラウマが植え付けられないかと心配になりますが…（笑）。
せっかく生まれ変わったのですから、クリスティーンと第二の人生を謳歌してほしいです。
どんでん返し系の映画は好きなので、とてもたのしめました。
ただ、展開が激しすぎて疲れます（褒め言葉）。
まわりまわって最初の宣言どおりの誕生日プレゼントでした、という展開がおもしろかったです。
映画『ゲーム』の考察
映画『ゲーム』で気になったシーンを考察しました。
考察1：ゲームの目的は？
CRSによるゲームの目的は、参加者の人生を変えることです。
ニコラスがバーで出会った男は、ゲームの正体が「ヨハネによる福音書第9章25節」だと言います。
＜ヨハネによる福音書第9章25節の内容＞
『昔は盲目であったが今は見える』
つまり、ゲームを通して生まれ変わることで、今まで見えなかったものが見えるようになるということです。
弟・コンラッドがゲームに招待した目的は、自殺した父と同じ運命をたどらないように、ニコラスの人生を変えること。
傲慢で仕事人間なニコラスが父と同じように自殺してしまうのではないかと心配したのでしょう。
ゲームに参加する前、まずニコラスはテストを受けていました。
ここで行動や心理状態を把握し、どのようなシナリオが最も有効かを調べていたのだと思います。
このテストのなかで、ニコラスは車がガードレールを突き破るイラストを見せられました。
その後、ゲームで同じような状況が再現されます。
おそらくニコラスはこのイラストに対して強い反応を示したのでしょう。
また、身体能力も詳しく検査されていました。
ニコラスの身体能力の範囲内で、どの程度であれば危険が及ばないかを調べていたものだと思います。
とはいえ、かなり危険そうなシーンはたくさんありましたが…。
こうしてニコラスを生まれ変わらせる、ニコラス専用のゲームのシナリオが作成されたのです。
考察2：ニコラスのトラウマと人間性への関係
ニコラスは深刻なトラウマを抱えています。
幼い頃、父が目の前で飛び降り自殺をしてしまったからです。
このトラウマがニコラスの人間性に大きく影響しています。
＜ニコラスの人間性＞
- 人付き合いが悪い
- 金に固執する
- 傲慢
妻とは離婚し、パーティーの誘いはすべて欠席。
誕生日なのに祝ってくれる友人もおらず、父の親友を平気でクビにします。
持ち物の値段をいちいち自慢する嫌なヤツです。
ニコラスの残念な人間性は、過去のトラウマによって形成されました。
＜トラウマの影響＞
- 人付き合いが悪い
→トラウマを他人に見透かされないようにするため - 金に固執する
→権力を持った強い人間に見せるため - 傲慢
→自分の弱さを隠すため
こうした態度が彼から人々を遠ざけ、ますます偏屈な人間になってしまったのです。
妻との離婚の原因もニコラスにあったのでしょう。
考察3：生まれ変わったニコラス
ニコラスはゲームを通して、目を背けていた過去のトラウマと向き合います。
そして、すべてを失って生まれ変わりました。
ゲームの一連の流れは以下のとおり。
- 財産を失う
- 一度墓地に埋められる
- 生き返る
- 父の形見である時計を手放す
- 金のない状態での長旅
- 飛び降り自殺
社会的地位を失い、長旅をしたことで、金に対する執着や傲慢な人間性が矯正されました。
そして墓地に埋められ、生き返ったことで今までのニコラスと決別したのです。
ニコラスの変化は、元妻にこれまでのことを謝罪していることからも感じ取れます。
そして父の形見を手放し、同じように飛び降り自殺をすることで、トラウマを克服しました。
これでもう人との関わりを避ける必要もなくなったのです。
クリスティーンを食事に誘うニコラスは、序盤とはまるで別人になっています。
映画『ゲーム』の感想＆考察まとめ
今回は、映画『ゲーム』の感想＆考察を紹介しました。
怒涛のどんでん返しが魅力の本作。
最後まで結末がまったく読めませんでした。
自分ならこのゲーム…参加したくないです（笑）。